木更津市の税理士法人 桜頼パートナーズ会計 藤谷事務所

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自家用車と高級スポーツカーの譲渡所得の違い

エイベックスの松浦勝人会長が自身のSNSで問題定義した話が非常に興味深かったのでお話いたします。

約5億円で購入した限定生産されたフェラーリが、約8億円で売却されました。実際の利益は約3億円です。

8億円(売却価額)―5億円(取得価額)=3億円(譲渡所得)

3億円×譲渡所得に対する税率(15%~55%)=1億6千5百万円

自動車の譲渡所得は総合課税となり、給与所得などの他の所得と合算されます。松浦氏は高額所得者であることが想定されるため、所得税45%+住民税10%の合計55%の税率が課されます。

これだけの話ならば特に面白みに欠けるものなのですが、もしかしたら1億6千5百万円を超えた3.5憶円の税金がかかるかもしれないと吐露しており、3億円の儲け以上に税金がとられる可能性の不条理さを訴えていました。

この問題点を解くカギとなるものは、「みなし減価償却による取得費の減少」という仕組みにあります。

日常の生活用動産(通勤車等)の売却損益は原則非課税ですが、高級スポーツカーやプレミアカーは「生活に通常必要でない資産(趣味・娯楽用資産)に該当し、売却益は譲渡所得として課税されます。今回の松浦氏のフェラーリ譲渡がこのケースに当たります。

個人事業主が事業として利用する場合は減価償却費として費用計上されますが、事業として利用していなければ、一般的には減価償却費の計算をしません。しかしながら、今回のような場合は、個人が業務に使わず保有していた資産であっても、税務上は「所有期間中に価値が目減りした」とみなして(・・・・)帳簿価額を落とす計算をします。(所得税法38条2項、施行令85条)

この結果により、帳簿上の取得費が購入時の5億円から大きく下がるため、税務上の譲渡益が実際の利益である3億円より大幅に膨らみ、約5億~6億円以上の利益が出たものと判例されます。仮に、6億円の利益が出たものとします。その場合には、6億円×55%=3.3億円の所得税と住民税が課されることになり、3億円の儲け以上に税金が取られるということになるのです。

ちょっと金額が大きいため、身近に感じられないのですが、私たちが日常的に利用している自動車を売買した場合にはどのような対処をすべきなのでしょうか。思った以上に高く買ってもらい、数百万円になったとします。

結論から言いますと、前述した通り日常の生活用動産(通勤車等)の売却損益は原則非課税となるため、確定申告をする必要はありません。「過去に自動車を売却したけどそういえば確定申告をしていないな。大丈夫かな」と思われた皆様ご安心ください。生活用動産については、自動車だけでなく、家具や衣服、電化製品等が該当し、ヤフオクやメルカリで売却しても譲渡所得の課税対象外となります。

ただし、宝石、貴金属、金地金、書画や骨とう品等は生活用動産ではないため譲渡所得になります。最近巷に様々な買取店があり、そちらで売却(買い取ってもらう)した場合には、当初買った金額より高く売れた時には譲渡所得が発生するため、確定申告の必要があるかもしれませんので、ご注意を。

ブログ 2026.09.01